そんな方向けに、私が実家で犬を飼って、その愛犬が老犬になり闘病のすえ、約14歳で亡くなった経験から、飼う前にお金のことをどう考えればいいか?について書いてみます。
まず、はじめに結論から書きたいと思います。
どれくらいのお金があったら犬を飼えるのか
個人的には、金額以上に、 以下の環境を20年にわたって用意できるかどうか、だと思ってます。
- 自分が不慮の事故や入院で働けなくなっても犬を20年は養える、十分な経済力。もしくは家族や兄弟など安心して預けられる先の確約を取れている。
- 留守番などが少なく、犬を長時間一人にしない環境を用意できる(犬は生来群れる社会動物なので孤独はストレスになる)
- しつけがうまくいかなかった時にドッグトレーナーなどを頼れる金銭的余力
- 平日であろうが休日であろうが、犬の体調が悪い時は家族の誰かがすぐに病院に連れて行ける
- 突発的な手術に対応できる十分な預金。例えば、(世帯の生活費 1年分)とは別に(犬の医療出費用100万〜)の用意。
私の実家の愛犬は、特に贅沢なんてさせてあげたつもりはないですが、生涯で300万くらい、もしかしたらもっと、かかったと思います。
まず、すぐに血尿が出て、病院に行った結果、結石ができやすい体質だとわかり、病院で購入するドッグフードが必要になって、月1万のドッグフードが終生必要になりました。
これだけで、14年の生涯で約168万ですね。
老いてきてからは、目の病気になって、月に数万円の目薬が必要に...。 数時間ごとの点眼が必要でした。
突発的な手術も、10万以上かかったり。
また、病気にならなくても、 犬なら、定期的に肛門絞りをする必要があるのでトリマーさんにお願いしたり、定期的なトリミングにもお金かかりました。
この記事も参考になるかも知れません。 hoken-room.jp
ダックスやコーギーなど、胴長短足の犬種で多く見られる椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアの治療で手術が必要になった場合、30万円以上の医療費がかかる場合もあります。
20年のうちには、家族の形も変わる
また、犬は20年、ときにはそれ以上生きます。
20年のうちには、本当に、予想もしなかった、いろんなことが起きます。
縁起でもないことですが、あなたが、長期入院したり、働けなくなったり、突然亡くなったときに、そのペットはどうなるか…
そういったことも、命を飼うものの覚悟として、きちんと考え設計したほうが良いと思います。
というのは、私の実家では、愛犬が10歳くらいのとき、父が事故死し、その後、母が病気になり長期入院、ということが起きたからです。
愛犬は、寂しかったと思いますが、私(成人済み)と、祖父母で、面倒を見れたので、なんとかなりました。
もし私が幼く、祖父母もいなかったら、金銭的に苦しかったら、どうなっていたのだろう...と思うと、ゾッとします。
猫ちゃんの例だけど、飼えなくなってしまったもの...
www.instagram.com
里親募集のサイトを見ると、こういった「飼い主の病気のため手放します」「経済的理由で手放します」という例が、たくさんあるんです。
「引っ越しで次の家がペット不可のため飼えなくなった」とかもあります...。
そのペットに病気があったり、老犬や老猫の場合、引き取り手を探すのは難航すると思います...
純血種の病気とお金
純血種は、犬種特有の病気があることも多いです。
純血種には遺伝性疾患やその犬特有の問題行動が見られることが多いことに注意が必要です。
たとえば、人間の気まぐれが発端で、極端に顔が真っ平らに変化させられたブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、パグなどの短頭種。
顔があまりにも平らで口が浅くなり、その結果パンティング(体温調節のために口を開けて舌を出し、ハァハァと呼吸すること)による体の冷却がうまくいかず、生命維持に不可欠な呼吸器系への影響が深刻化しているという。
私の愛犬も、その犬種に多いという心臓病になり、ケホケホという咳が増え、歩いている時に失神したり、いろいろと苦しみました...。
かかりつけ医だけでなく、心臓病に詳しい大学病院にも定期的に通院しました。
この心臓病に対しては、手術があるのですが、100万くらいかかります。
心臓手術なので大掛かりで、術後生存率99%ですが、1%は命を落とす子もいる手術です。
愛犬は、すでに心臓病が表面化したときは老犬だったので、リスクも勘案して、私の母は手術をしないことに決めたようです。
ですが、今思えば、100万でも、もっと若いうちに、心臓病が進行していないうちに受けさせてあげたら良かったんじゃ?せめて、一回くらい相談に行けばよかった・・・。と思います。
また、その犬種を飼う前に、もっとその犬種の病気について調べていればよかった...もっと準備したり、適切な飼い方ができたんじゃないか...と思います。
次に飼うときは、なるべく犬が苦しむ姿を見る可能性を減らせるよう、雑種の子犬を保護団体さんから引き取ろうと思っています。
お金と犬の健康について考えた時、どこから飼うべきか
費用を考えれば、
- 健康
- 問題行動がなく、しつけ教室に通わなくていい
ほうが、安くすみます。
それでいうと、ペットショップはあまりおすすめできません。
社会性が未発達な状態で販売されると、咬みつき、無駄吠え、四六時中飼い主から離れない分離不安など、問題行動が増えるという報告もある。 優良ブリーダーは、こういった問題行動を生じないように、生後60日まで親元に起き、社会性を身につけてから購入者に渡す、というプロセスを求めることが多い。そのため、優良ブリーダーは、ペットショップに卸さない
母犬の飼育状況や健康かどうかがわからないし、子犬のうちに母犬や兄弟犬から引き離す事が多く、問題行動が増える可能性が高まるからです。
海外では、もっと厳しい規制があるのですが、日本のペットショップは規制がゆるく、幼すぎる状態から親犬と引き離して、かわいいうちに売るんだから早い方が良い、という状態なのです。
また、ペットショップのシステムの、「流通」「繁殖」に、問題が山積みだと思います。なので、利益を出すことに加担したくない、と言う気持ちもあります。
私は、ペットショップへの流通過程で、全体の3%、つまり33匹に1匹が死んでしまうことを知りものすごいショックを受けました。
犬猫、流通中に年2.6万匹死ぬ ペットショップ・業者 www.asahi.com
2018年度に国内で繁殖・販売されていた犬猫のうち約2万6千匹が、繁殖業者やペットショップのもとにいるうちに死んでいたことが、朝日新聞の調査でわかった。 流通量の約3%にあたり、この5年間で計12万匹以上にのぼる。ペットブームの一方で、業者の飼育環境の改善が急務であることが浮き彫りになった。
現在、大手のペットショップで販売されている犬猫の50%以上は、ブリーダーからペットオークションを経由して店頭に並ぶと言われています。つまり、「ブリーダー→ペットオークション→ペットショップで販売」という流通経路になっています。
悪質なブリーダーは、多くの犬をペットオークションに持ち込めばその分利益が得られるため、親犬の健康状態を考慮せずに繁殖できる限り子犬を産ませています。このような悪質ブリーダーは、全国にかなり存在すると憶測されています。オークションへの参入障壁を高くしないと、悪質ブリーダーの参入を抑えることは難しいと言えるでしょう。
実際に、色んな繁殖崩壊現場が報道されたり、保護施設の募集に「ブリーダーから保護しました」のように載っていたりします。
なので、私はペットショップで飼うのは、犬の健康面でおすすめできません。
できれば、信頼できるブリーダー(粗悪な環境で飼育したり、飼育崩壊する素人ブリーダーも多いので、飼育環境を直接見せてもらう、母犬と会わせてもらうなど、調査必須です)か、 信頼できる保護団体(子犬子猫も多いです)も検討されると、良いのではと思います。
保護団体経由では、預かりボランティアさんなどが人馴れやトイレトレーニングをやってくれてることもありますよ。
以下リンクのペットのおうちなど里親募集サービスは、ネットで見ることができます。 https://www.pet-home.jp/dogs/
以上、参考になれば幸いです。